神奈川Cスポ探索日記

C級スポット探索日記

C級スポットを主に巡るブログです。C級スポットとは、「メジャーな観光地(A級スポット)・ちょっと変わった観光地(B級・珍スポ)ですらない、楽しめるかはその人次第の場所」という意味です。と言いつつ、普通の観光地にも行きます。地域別カテゴリは最下段から。

旧開智学校

 

松本城の近くにある旧開智学校です。

国宝に指定されるという話が最近決まってタイムリーな記事になってしまった。

マイナーな観光地だったのにこれで有名になると嫌だな(人混み嫌い並感)

 

 

開智学校っていうのは1873年開校した小学校ですね。

いまでもすぐ近隣に残っている。

 

この建物自体は1876年に完成し、1963年まで校舎として使われ続けた。

明治初期に建築されたにも関わらず高度な技術を誇り、学校教育の導入にも深く関係しているということで、建築・文化史的な意味で国宝に指定されたようです。

 

 

近代化を図る明治時代ということで、西洋の建築スタイルを取り入れた「擬洋風」となっている。

 

・・のだが、全体として確かに西洋っぽいものの、ところどころ中華くさい装飾も施されていて「洋風?」と首をかしげたくなる。

ローストチキンを頼んだらバンバンジーが出てきた感覚。

 

 

龍とか雲の形を見ていると、次は仙人が出てきそうアルヨ。

最上段には天使が一応いますけどね。

 

 

近代化を急ぐお偉いさん方は「西洋風な建築にするように」とお達ししたのだろうけれど、当時の建築家が西欧建築を見る機会なんて殆ど無いから、「ぼくの考えたヨーロピアン」というイメージを基にした建物は割とあったそうな。

開智学校が同様な過程を踏んだかは知らないが。

 

 

入口は向こう側ですよ。

入館料は300円です。

 

 

廊下を渡って校舎内に入りましょう。

 

 

最初の展示室。

どでかい瓦が並べられているな。

 

 

この鬼瓦は学校開校から11年目に屋根に取り付けられたものだが、現在は開校当時の瓦を復元して設置しているので、それにあたって取り外された。

200kg以上もあるそうな。

デカすぎるので、幾らかパーツ分けされて製造された跡が見受けられる。

 

 

自由にお触りできます。

明治時代の改革精神に触れて、あなたもザンギリ頭をブッ叩いて文明開化しませう。

 

 

風見鶏もセットで展示しております。

 

 

次の部屋は講堂っぽくされている。

企画展用の部屋になっていて、このときは県の歌「信濃の国」について扱われていた。

 

この曲は6番まであるんだけれど、なぜか4番だけメロディが変わるという引っ掛けがある。

4番のメロディを歌い間違えると「貴様、長野県民ではないな!」と引きずりだされて石打ちの刑になるとかならないとか。

 

(作詞をした浅井洌さん)

 

歌詞では長野県を代表する自然風景や文化がまんべんなく盛り込まれ、名前通りに信濃の国ご紹介ソングになっている。

小学校で歌われる曲ということで、狙いをもって書かれているんでしょうねぇ。

 

・・と思いきや、作詞をした浅井洌は「深く考慮もせず、ただ地理歴史の事柄を書いただけ」とインタビューで述べている。

郷土愛ちゃんと持ってクレメンス。

 

 

この天井なんだが、なんと和紙を5層に重ねたものを使用しているそうな。

雨漏りしたら一斉に死亡しないのだろうか。

この辺の和洋折衷感が、擬洋風である。

 

 

第3展示室です。

ちなみに展示室めっちゃいっぱいあって時間かかるから、余裕をもって来ましょうね。

 

 

学校教育が始まった時点での、都道府県別の就学率ランキングである。

松本の辺りは筑摩県となり、そのあと長野県へと合併されたが、圧倒的な就学率で上位ランカーとなっている。

さすが教育県。

 

 

当時はノート無いからミニ黒板を生徒は使ってましたね。

 

 

学校生徒の心得。

「朝早く起きましょう」「先生に挨拶しましょう」など小学生らしいことが決められている。

 

 

しかし「瓦や石や鉄砲の玉のようなものを投げてはいけません」って、そんなの投げる奴がいたんですかね。

めちゃめちゃ痛そう。

フーリガンの街 松本。

 

 

次の展示室は建物関係ですね。

 

 

開智学校の設計平面図。

 

学校教育が始まったばかりで、どんな設備が必要かなんて分からない時代にもかかわらず、開智学校には早い段階で様々な教室が設けられていたそうな。

 

 

主要な学校の部屋数一覧だが、開智学校の部屋数は他と比較して圧倒的に多い。

教室の多さもそうだが、事務室・職員室・試験用の講堂などさまざま。

 

これだけ多様な設備を用意できた理由として、松本城下の経済力が挙げられている。

城下町だし街道もあるしということで、豊かな商人や職人がおり、彼らの財力が貢献したという話。

やっぱ金ですねえ(下衆)

 

 

しかし児童の体育衛生に関するこの文書は、やはり前時代らしいキチガイっぷり前衛的精神を見ることが出来るよ。

 

 

児童の体育面での育成方針について、開智学校の教師が書いたものなのだが。

「暑気に打ち勝つ精神を身につけねばならない」「避暑は心身が惰弱になる」と見事な脳筋指針となっている。

現代でやったらPTAブチ切れですわ。

 

 

11月に至っては「襟巻やショールを使用する者が出てくるが、誠に面白くない」「寒気に抵抗する精神が見たい」。

最早あんたの趣味になってるじゃないか。

 

 

次の展示室も、建築関係ですよ。

 

 

この人が棟梁の立石清重。

独学で西洋建築を学び、官公庁や個人宅など計100件以上の建物を残した。

こんな顔しているが大したものだ(侮辱罪)

 

 

過去の開智学校の写真。

これは1892年頃のもの。

 

 

現在と同じような外観をしている。

天使と竜がいますね。

 

 

一方、廃校直前の写真。

 

 

あれ、天使も竜もいないよ。

すごいシンボルぽかったのに、1897年にはクビにされてしまったんだそうな。

老朽化でもしたのだろうか。

 

いま現在の外観は、建築当初のものを復元した姿になってるんですね。

 

 

 

この部屋では「特別学級」を扱っている。

特別学級と言うのは、いわゆる「ひまわり学級」。

 

当時の言葉で言うと「成績不良」や「栄養不良」である「劣等児」たちを教育するためのクラスである。

もう表現がド直球すぎてNHKでは流せないレベル。

 

 

成績不良生徒の調査簿。

わかりやすいねぇ(棒)

 

 

卒業しても「特別学級を証しました」と書かれてしまう。

ああ逃れられない。

 

 

特別学級とは別に「林間保育」も行われていた。

「虚弱児」の健康増進のため、森林で数日間教育を行うというもの。

また表現が直球ですね。

 

昼寝の時間があって、地面の上に板とござを敷いて寝たらしい。

体バッキバキになりそうだな。

 

 

貧困家庭にうまれて子守奉公に出されている子供たちのための教室も開かれたよ。

思いっきり子供を背負って授業を受けている不思議な風景である。

 

 

そんな子守学級を卒業した生徒の答辞。

コーヒーでもこぼしたのかな?

 

文章を読むと「人並に学校へ出ることが出来ず」「不幸せな者でありますが」と辛辣な言葉が書かれている。

これ子供に読ませるんかいな。

 

 

1F最後の部屋ですよ。

 

 

当時のテスト問題。

小学生の問題だもの、普通は解けるよね?

 

 

・・最後のやつ、これ暗算でやるの。

ちょっと小学3年からやり直してきます(挫折)

 

 

 

んで、なにか狂気を感じさせるポスターが飾ってあったのだが。

どうも戦時中に生徒が書いた絵らしい。

書いたというより、書かされたと言うべきか。

 

 

こわいって。

非国民は見つけ次第、密告せよ的なものだろうか。

現代の中国や北朝鮮かな?

 

 

やっと1Fが終わったよ(げっそり)

まだまだ2Fへと続きます。

 

 

2F最初の部屋では音楽の授業だ。

当時の歌の本。

 

 

一部、黒塗りされているんですけど、一体どういうことなんでしょうか。

放送禁止用語でも書かれていたのかな。

そんなものを子供に歌わせていたのか。

 

 

音楽の授業は1872年学制の当初から導入が決まっていたものの、誰もやり方が分からんので(こなみ)、しばらく放置プレイだった。

それを長野県出身の伊沢修二の働きかけにより、唱歌の授業が始まったそうな。

やっぱり長野がナンバーワン!

 

 

学校教科書を使ったクイズ問題があるよ。

当然、上級編でしょう。

 

 

なーんだ?

馬かな?

 

 

んなアホな。

あんなどん詰まりの首しているキリンがおるかい。

 

 

え?なにこれ。

 

 

いったいどこをどう見れば、この答えが出てくるのか。

難易度高すぎ、というより斜め上に行き過ぎでござる。

 

 

そして何故か積み木。

1セット1000円って、わりと高いな。

開智学校の木材でも使っているのかしら。

 

 

 

ぜんぶ縦に並べてみました。

 

 

隣の部屋は、明治天皇が松本に行幸をした際、休憩所として使った場所である。

そんな気配を微塵にも感じさせないほどの、普通の部屋ですが。

まぁ休憩所として使ったのはほんの1日だろうし、そのあとは普通の部屋として使っていただろうから仕方ない。

 

 

大層な扉を抜けて向こう側へ。

すっかり忘れていたが、ここって擬洋風建築だよね?

堂々と和風である。

 

 

ずいぶんハッキリした木目だなと思ったら、これペンキで塗っているらしい。

これは偽装工作ですよ。

 

 

広々とした通路に、いろいろ飾り物。

 

 

生徒の机。

背もたれと椅子が繋がっており、椅子の位置を変えられないキツイ仕様となっています。

あと隣の人が消しゴム使ったりで机ゆらしたら、もろに影響を受けるタイプ。

 

 

 

でもスマホ置き場があるよ。

すごい先進的だね!

 

 

外から見たんじゃ分らなかったが、ステンドグラスが正面玄関にはめられていたらしい。

建築当時は国内でまだガラスが製造されていなかったので、わざわざ輸入したそうだ。

イカラ。

 

 

習字は手本レベルで達筆。

これが小学生の字ですか・・(完敗)

 

 

とうとう最後の部屋です。

ココまで来るとさすがに展示物も尽きてきたか、スペースのありすぎる仕様となっている。

 

 

視力検査。

右側のは動物や昆虫の名前を使っており、難易度たかそう。

 

 

開智学校についてまとめた書物があるけれど、凄まじく分厚い上に巻数あり過ぎじゃないですかね。

調べ過ぎである。

 

 

1巻8,000円以上で、全21巻。

総額159,705円ですよ、どうでしょうそこの奥様。

 

 

階段を下りておしまいです。

盛大な教育博物館なのでした。

 

 

以上

 

【交通手段】松本駅から徒歩30分。バス10分

【入館料】300円

【滞在時間】60分

【混雑度】★★★★(すぐ横に人)

【URL】

matsu-haku.com