安曇野ビンサンチ美術館
ビンサンチさんの美術館です。ビンサンチさんの作品に特化して展示しております。
運が良ければ、なんとビンサンチさんご本人にもお会いすることができます。
ちなみにビンサンチさんは、日本人です。
徒歩で来ると厳しいので、穂高駅からレンタサイクルが良いですかね。20分くらい。
現代アーティストの北山敏・早苗夫妻が、ビンサンチさんの正体なのです。
ご本人たちで運営されてます。
美術館の建物はコテージ風で、「あれ、ここ住宅?道間違えた?」って一瞬なった。
もしかしたら実際に住居として使っているのかもしれませんが。
開放的な造りは避暑地らしくて気分がいいですな。
入館料は500円です。中はログハウス風で温かみのある色合い・感触。
美術館というより、やっぱり住居に見えます。
あちらこちらに作品が飾られているよ。
それでは早速見ようか。館内は撮影可能です。
変な角度から撮っているのは額のガラスの反射があるからで、私のせいではないぞ(言い訳)
絵画の横に、こんな張り紙が。
「ミクロ×宇宙 C」。一体なんのことでしょうか?
Cはコーヒーのことらしい。さっきの絵はコーヒーなんだと。
・・何を言っているか分からないと思うが、コーヒーを1滴プレパラートに垂らして、顕微鏡で数百倍に拡大してみると、あの絵みたく宇宙な光景が広がっている。
それにCGを足しあわせて、作品にしている。
実際に、館内にある顕微鏡でプレパラートを見せてもらえる。
写真撮れないのでアレですが、覗いてみるとコーヒーとは想像もつかないような幻想的・異空間的な光景が広がっていた。
(画像は 公式HPのWORKSページに掲載されているもの)
上掲の写真と同じ絵です。写真だと分かりづらいので引用しました。
つまりこの絵は、コーヒーの水滴を拡大したものをベースにしていることになります。
一部CG処理はしているそうですが。
どこからどこまでがCGなのか分からないのだが、背景の宇宙空間や下部の金色の原っぱみたいな部分・飛び交う虹色の光線は、顕微鏡で覗いた感じからはコーヒーかと。
CG処理といっても、プレパラートの様々な部分の画像を切り取って一つに繋げたとか、そういうくらいじゃないか。
せいぜい中央にある緑とか黄色の円くらいが人工的な追加要素かなぁ。でも絵にマッチしすぎているからこれもコーヒーかも。
にしても、コーヒーってこんなにカラフルな色素で成ってるんですね。
BOSSのレインボーマウンテンはハッタリではなく真実を伝えていたのです(違う)
(作品画像が館内TVで放映されています。)
使われているのはコーヒーの他、ワインや醤油、樹液なぞもあった。
「この作品は何で作ったでしょう」というクイズも館内ではできるが、まず当たりませんね。当たるわけがない。
模様をネクタイや衣服にも載せて、販売しているよ。
配色が新世界すぎて目が痛くなりそうである。
サラリーマンへのお土産にどうぞ、ぜったい職場では使えないけれど。
偶然にもこのときビンサンチの中の人こと北山敏氏がいらしたので、お話しする機会が持てました。
芸術家本人と会話ができるとは興味深いことである。
北山氏はもともと大学で結晶科学を研究するなど理系屋さんだったそうで、顕微鏡を用いたアート作品という発想もその経歴ならではというところ。
とにかく片っ端からプレパラートに載せて覗いており、1万以上のサンプルを試したそうな。すごい継続力ですね、私なら5つ目で止めていると思うし、というか顕微鏡自体を持っていなかった。
北山氏曰く「海外では人気も出て作品集も売れているけれど、日本の画壇は私の作品をあまり評価していない」と、激おこの模様。
伝統を重んじる国ですからねぇ、今では有名な草間彌生もしばらく日本では総スカンだったからね。まぁあの人のやってたことは倫理的に問題があるが。
作品のように虹色の人生とは行かないものである(どや顔)
テラス席に出てみます。
この美術館の敷地内に、他に見学できる建物が複数あるのだ。
山は広い。
美術館の飼い犬アニキ。
人懐っこい性格で、来客とじゃれるのが好きらしい。
しかし私は犬が苦手なのだ。
あまり興味を持たれないよう、そそくさと移動する。ひえー
隣にある展示棟です。せいぜい小屋レベルかと思っていたら、けっこうサイズがある。
ビンサンチさん、日本の画壇で認められなくても、十分なお金あるじゃないですか(にやにや)
この棟には2つの部屋があって、片方ではビデオが流れている。
さっきの幻想世界とは打って変わって、Eテレで朝9時くらいにやってそうなファンシー動物劇場であった。
夫人の早苗氏によるもので、絵本とムービーがある。
こまかい小道具や人形はきっとお手製なのだろう。これらの実物は展示されていなかったと思う。映像でお楽しみください。
さっきの飼い犬アニキの写真集が置いてあった。
というか、メスだったのか。間違えてすまんな。
もう一部屋ではバッグや衣服などが売られている。
アート・人形劇の次はアパレルにまで進出している、範囲が広いなぁ。
敷地内の庭園を歩けますよ。
ところどころに絵画が置かれている。
今度はネズミ 先輩 ちゃんかな?
これも夫人の作品ですね。
しかし美術館の敷地、ひろい。広すぎて庭園というか、もはや山林である。
コテージ幾つも建ててるくらいだしなぁ。
そして境界が分からず、あやうく敷地からはみ出して隣の民家に突っ込みかけたのであった。
ギャラリーもといショップも建っています。
スペースにゆとりのあった本館と異なり、こちらは商品が所狭しと陳列中。
絵本に出てくる「森のおみせやさん」ってこんな感じよね。
というところまで見て、本館に戻ろう。
戻ったら「お茶好きなの飲んでいいよ」と嬉しいサービス、やったね。
紅茶やコーヒーを飲みつつ、「今飲んでいる水分が絵画になっているのか」と思いをはせましょう。
そして家に帰ったら顕微鏡を買い、身の回りのものを片っ端から覗いて、アートっぽく見える物質を探してマネタイズするのだ(すぐに飽きる)
おしまい
【入館料】500円
【混雑度】★★(他に2~3人)
【滞在時間】45分
【URL】