C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

旧石川組製糸西洋館

 

入間市駅から徒歩10分くらいのところにある西洋館です。

石川組という製糸会社が所有していたもの。

 

 

一般公開日は一か月に四日ほどなので、公式HPで開館日を確認してから行きましょう。

予約とかは要りません。

 

 

エントランスホール。

入場料は200円です。

 

 

開館は大正時代の1921年だが、戦争や地震による被害をさほど受けることなく、おおむね当時の姿のまま残っています。

というわけで国の有形文化財にもなりました。

パチパチパチ。

 

 

応接室です。

見るからに偉そうな雰囲気が漂っている(偏見)

 

 

石川組と言うのは明治時代に起業した製糸業の会社。

一時期は日本でも指折りの生産量を誇り、入間のみならず愛知県など4県に工場があり、さらにはニューヨークに事業所を置くなど海外デビューまでしていた。

さすがジャパニーズ生糸全盛期。

 

 

まぁしかし1920年代に入って震災や昭和恐慌が起こり、繊維業の勃興もあって生糸の需要も低下していくと、その波に呑まれたまま1937年に解散しましたとさ。

悲しいねぇ。

 

 

不思議な棚。

漢字でどっしり書いてますけど、ここ洋館ですよね?(確認)

 

 

木の板を彫り残して文字にしている様子。

さすが成金は違う。

 

内容は書経から取られたもので、「みんな調和すればハッピー」的なことを言っています(適当)

 

 

時計もきっとお高いんでしょうねえ。

 

 

と思ってたら、絨毯がすさまじく穴あき状態であった。

これは減点要素ですわ(陰険)

 

この絨毯も建築当時からあるペルシャ絨毯だそうで、穴あいたまま残しているのも、当時の品だからであろう。

 

 

応接間の隣は控室だが、現在はパネル展示が置いてあって説明ルームになっております。

 

 

部屋のど真ん中に立っているのは、建物を上棟したときの札。

大正十年(1921)と、ちゃんと書かれていますね。

 

 

裏にも文字が書いてある。

石川組のボス 石川幾太郎はクリスチャンだったので、ここでは聖書の文句が刻まれている。

さっきは書経だったのに、なんだか多国籍軍な様相ですな。

 

 

柱にはラーメン(?)が刻まれている。

 

 

少しサイズの小さいこちらは、客間。

客をこんな小さい部屋に閉じ込めて良いのか!

 

 

ただ小ぶりながらも照明にはステンドグラスが使用されているなど、細かいところで豪奢さを出している。

部屋の小ささだけで文句を言ってしまう小市民には相応しくないですね(ブーメラン)

 

 

この洋館は様々なドラマや映像作品で使用されております、という宣伝。

ラルクアジカンもPVで使ってるよ。

 

 

ベッドはこちら。

なんかすごい固そうだな。

ステンドグラスよりも来客の背中を気にしてほしかったところ。

 

 

1F最後の部屋は、こちらの食堂。

ひろい。

これぞ金持ちの洋館と言う感じである。

 

 

天井も、こんなにする必要ありましたかね、という複雑なデザインである。

 

 

ただ端に置かれているベンチはすごい硬そう。

召使はこじんまりとしていろ、ということだろうか。

 

 

テーブルから見た風景。

 

 

食器や鏡もありますが、庶民は触るの禁止です。

 

 

コーヒー飲めるよ。

お菓子付きでこの値段なら、さほど悪くはないんじゃなかろうか。

 

ただし館内にはけっこう客が多く、食堂は特にメインエリアで大勢の人が居ますので、その視点に耐える力が必要です。

 

 

中廊下。

これまで見てきたのは西洋館の本館だが、隣に別館があり、それと結んでいる。

 

 

別館は見れませんけどね。

トイレがあるだけです。

 

 

2Fに上がってきました。

 

 

最初に見るのは、貴賓室。

さぞかし豪華な部屋なんでしょうねぇ。

 

 

と思ってたら、なんと貴賓室は改修中であった。

よってお写真だけでお楽しみください。

 

 

なにげなく床には牛の毛皮っぽいものが敷かれている。

だいたいのお客さんは目の前の大広間に神経が向かってしまい、毛皮には気づかず踏んづけて行ってしまうのであった。

 

 

その大広間。

盛大なスケールなので、お客さんが毛皮に気づかないのも無理はない。

 

 

ステンドグラスには植物が描かれている。

中国の東洋画で人気テーマである「四君子」というもので、蘭・竹・菊・梅の4種を扱っている。

 

 

しかしこのステンドグラスでは、菊は存在せず、代わりに名物である狭山茶の花が描かれています。

ご当地ネタとは心にくいばかり。

一方で、菊ェ・・

 

 

そのガラス、ひびが入っているのであった。

菊の恨みかな?

 

 

音が出るのかとても不安なオルガン。

 

さりげに、この大広間にはコルク床が敷き詰められているそうな。

なのでダンスしても、下の階へのダメージは少ないよ。

じゃんじゃん踊りましょうね。

 

 

次の部屋は和室。

外人客をジャパニーズ風にもてなす為のところだそうな。

 

 

床の間を見た風景。

 

・・ん?

 

 

なんでドアがあるんですかね。

すさまじく違和感を覚えますが。

 

 

この西洋館、戦後に進駐軍に接収されて使われていた時期があったらしい。

文化財とか彼らには意味をなさないので、この和室も床の間をぶち抜いて扉を付けられたり、この部屋もクローゼットが据えられたそうな。

 

さすがにクローゼットはこのように和風の棚へ変えられたが、それでも違和感がプンプンしますね。

 

 

欄間には、江戸時代の絵師 酒井抱一の絵画をベースにして彫り込まれた意匠。

 

 

オリジナルの絵には酒井抱一のサインも入っているので、それまで欄間に写し取っちゃった。

 

 

最後にバスルーム。

この部屋も本来は無かったらしいのだが、進駐軍が居住するにあたって設置したそうな。

まぁ、風呂が無いのは不便だわな。

 

 

トイレは使えませんよ(念押し)

 

 

2Fも見たので、階段を下りておしまいです。

あの大きな食堂に繋がっています。

 

 

月4回の公開だからか、わりと来場者は多いのであった。

1時間に1本ペースで無料ガイドツアーもやっているので、なかなかユーザーフレンドリーです。

 

 

以上。

 

【交通手段】入間市駅から徒歩10分

【入館料】200円

【滞在時間】60分

【混雑度】★★★★(すぐ横に人)

【URL】

www.city.iruma.saitama.jp