神奈川Cスポ探索日記

C級スポット探索日記

C級スポットを主に巡るブログです。C級スポットとは、「メジャーな観光地(A級スポット)・ちょっと変わった観光地(B級・珍スポ)ですらない、楽しめるかはその人次第の場所」という意味です。と言いつつ、普通の観光地にも行きます。地域別カテゴリは最下段から。

昭和のくらし博物館

 

昭和のくらし博物館を目指して近くまでやってきたのだが、それらしい建物が見当たらないぞ。

でも電柱に張り紙が付いているな。

ここで右手に折れるとのこと。

 

 

・・思いっきり路地なんですが。

 

 

しかし「路地を抜けて右側2軒目」と、案内が出ている。

 

 

 

無関係の民家に侵入していないか不安になりながら、路地を進む。

大丈夫なのかしら・・

 

 

路地を抜けました。

右側の2軒目はどこだ?

 

 

これ。

まんま人の家なのでは・・

 

 

だがちゃんと看板は出ているから合っているのだろう。

覚悟を決めて、中へ。

 

 

敷地内に入ると、すぐ左手に受付があり、館員さんが案内してくれた。

入館料は500円。

 

そして、この写真では写ってないがけっこう客がおり、案外繁盛している。

あれ、さっきの路地裏からは微塵にも感じ取れなかったけど、ちゃんとした施設なんじゃないか?

 

 

建物は戦後期の1951年に建築されたもの。

館員さんの説明によると、都内では戦後期の建物は全建物の1%程度しか無いそうで、明治や江戸時代の建物より数としては少ないそうな。意外。

 

古い建物だと文化財登録を受けて保存しやすいが、戦後期の建物だとさほど時代が経っておらず価値的に微妙とされて、保存要望も無くあっさりお取り潰しなのかもしれない。

 

 

表札出てますが、小泉さん一家が持ち主だそうです。

館長の小泉和子氏が庶民生活の研究者であり、「庶民の暮らしは一番最初に犠牲にされてしまうものだから、ここに保存しよう」という思いから、建物をのこす傍ら、展示物を集めて博物館となりました。

 

 

井戸もありますが水は出ません。

子供たちが大はしゃぎでこれを動かしていたのだが、本当に水が出たら水道代がハンパないことになるので、節水対策なのかもしれない。

資源は大事に(戦後日本の精神)

 

 

(博物館のチラシ) 

 

昭和期の建物として、様々な作品のモデルとして使われている。

この世界の片隅に』『海街diary(原作)』、その他許可なく勝手に外観を撮られて利用されている作品もあるとのこと(by館員さん)

肖像権で訴訟不可避。

 

このときはチラシの通り映画特集をやっており、絵コンテや劇中シーンなどが展示されていた

 

(画像は博物館ブログから 「小泉家に残る戦争」展はじまりました。: 昭和のくらし博物館の日々

 

 

館内は撮影禁止ですが、学術用・お子様の勉強用であれば、受付に申請すれば撮れる模様。

 

内装は注文通りの昭和スタイルで、ちゃぶ台・食事道具・衣服など、当時の日常生活に登場した調度品が様々に並べられている。

外観はかなり古さがあったけれど、実際に使われていた住居だからか、メンテナンスはしっかりされているようで、ただの古民家ではなく、懐かしさがあって親しみを感じられる祖父母の家、という様相である。

台所の床はギシギシ言ってて若干の恐怖を感じたのは内緒。

 

(博物館チラシ)

 

2Fでは「楽しき哀しき昭和の子供」展が開催中。

2017年9月からやっている企画展である。

かなりロングランですね、劇団四季のライオンキングかな?

 

戦前戦後の子供たちの暮らしや状況を、明るい面と暗い面の双方から見るというもの。

明るい面・楽しい物についてはデパートの屋上遊園地・おもちゃ・駄菓子などの、よく資料館で見るものが並べられている。

 

一方で暗い面を取り上げるのは、なかなか珍しいと思う。

・戦時中に飢えや栄養失調でいかに多くの子供が死んだか。

学童疎開中に起こった子供同士でのイジメ。

・貧困のため子を育てられない親達から、引き取り料を受け取って子供たちを引き取る連中がいた。そいつらは子供をすぐに殺し、また違う親から子供と金を引き取っては、子供を殺すことを繰り返した(貰い子殺し)

 

 

惨憺たる展示を見て気持ちがガックリしたところで、隣の棟に移りましょう。

こちらは平成になってから建てられたよ。

 

(2F展示室。この場所だけは撮影可)

 

2Fには小泉家の知代さんという方によるグラフィックデザインや染物の展示室がありますが、企画展になるとそちらに占領されるようです。

映画関連展が開催されていました。

 

 

1Fには談話室があるけど、ワークショップ開催中で入れず。

仕方ないので庭を見ますか。

 

 

この世界の片隅に』のキャラクターかな?

 

 

海苔が置いてあります。

映画の中で海苔をつくるシーンがあるらしく、それネタ。

 

ちなみに映画、広島を舞台にしているそうな。

大田区関係ないじゃないか。スタジオに近いからって、現地に行くのをサボったなスタッフ!

 

また館員さんによると、大田区でも海苔づくりを大森の海岸でしているそうなのだが、ここに展示してあるのは大森流の海苔製法であり、広島流では無いらしい。

これは海苔ガチ勢からクレームが来ますね、そんな人が居ればの話ですが。

 

 

お土産屋では焼き海苔が売っていますが、こっちは広島産です。

広島流でいくのか大森流なのか、博物館サイドも判断できていない模様。

 

というわけで博物館はおしまい。

 

 

ところで敷地内にもう一つ、建物がある。

「画家 吉井忠の部屋」。

 

洋画家である吉井の展示室となっている。

館長の絵の先生を、吉井がやっていたことが由縁で作られたらしい。

 

(博物館HPから。吉井忠さん)

 

吉井忠(よしい ただし。1908-1999)は福島県出身。

20代で帝国美術院展覧会に複数回入選して名を広め、シュールレアリスムに傾倒し、戦前戦後の画壇で活動。

なんだかすごそう、よくわかんないけど(こなみ)

 

(館内。博物館HPより)

 

建物は築3年程度と、一気に新しくなり、内装も美術館らしい様相をしている。

吉井による大きいサイズの絵画が何枚も、壁にどんどん貼りだされていた。

大判サイズの絵がお好きなようで、基本は人物画で対象は女性である。

 

 

(画像は本サイズのイメージです。井口喜源治記念館で撮った、15世紀聖書の複製)

 

あと吉井は東北民俗について関心があって、記録書を残しているんだけれど、それが1万ページを超えるんじゃないかってくらい余りにも膨大なボリューム。

さらに本のサイズがデカくて、高さ50cm位あった。

グーテンベルク活版印刷がデビューした頃ってこんなサイズだったはず。15世紀かよ。

 

博物館の方は客が結構いたのだが、こちらは誰もいない。

追加料金200円掛かるってのもあるけど。

「吉井忠って誰?」って客がほぼ全員だからだろう、私もそうだが。

 

 

館員さんも、こちらの施設に関しては割とボロクソである。

 

「現在、吉井を研究している人は誰もいない」

社会主義に傾倒した時期があり、画壇的には扱いが面倒」

「東北の民俗誌は膨大な量だから、読めば新しい発見があるかもしれない。あの本を全部読んだ人間がまず居ないが」

「そもそも私(館員さん)、この人の絵が好きじゃない」

 

ま・・まぁ多少はね?

 

以上

 

 

【交通手段】久が原駅下丸子駅から徒歩10分

【入館料】博物館500円、吉井忠展示室は200円

【混雑度】★★★★(すぐ横に人)。ただし吉井忠の方は誰もいない

【滞在時間】60分

【URL】

showanokurashi.com