神奈川Cスポ探索日記

C級スポット探索日記

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三井コレクション ミュージアム

 

ここはアンティーク食器「オールドノリタケ」を扱うミュージアム

館名通り、館長である三井さんという方が蒐集したコレクションの見学ができる。

 

 

オールドノリタケとは、(株)ノリタケ カンパニーリミテッドが19世紀後半~20世紀前半にかけて製造し、欧米(主に米国)に輸出した食器・花瓶類のこと。

精緻な完成度から人気は高く、国内外にコレクターは存在する模様。

 

 

というわけで本も幾らか出てるよ。

私はこれを読みました。

 

 

 

このミュージアム、レストランもやっている模様。

ファミレスなノリじゃなくて洋風のしっかりした感じだから、財布の中身をあらかじめ確認しておきましょう。

 

 

周囲は完全に田畑風景である。

いちおう香取駅から徒歩20分弱でこれるが、そんな猛者はおらず、殆どは車で来場するであろう。

 

 

現地に着いたら、まずは館長を探して、展示室へのドアを開けてもらう。

このときは到着すると、館長が我々に気づいたので案内してもらえたが、そうでないときはレストランや周辺にいるかもしれないので、そちらの方を探索するか、大声で「すみませ~ん」と叫んでみよう。

近所迷惑にはならない筈だ、だって周りは田畑で、近所自体が無いのだから。

 

 

入場料は200円。

写真撮影もOKです、感謝感謝。

 

 

地下室に所狭しとならぶショーケース。

全部で500点ほどのオールドノリタケを展示している。

 

ただし、館長のコレクションはこれの5倍ほどあるらしい。

他に2000点以上持ってるんかいな、いったいどこに仕舞っているのだろう。

 

 

ただ入館して一番最初に目を引くのは食器では無くて、このビスクドールである。

通称「ノリ子」。あっさりしたネーミングだねぇ。

1915年生まれとのことで、実は103歳になるBBAである

 

アメリカン・ジャパニーズドール」とも言われるらしい。

日米どっちだよ。

 

 

オールドノリタケは前述の通り、欧米へ輸出された製品であるので、日本のコレクター達は海外まで出向いて、現地のコレクターと交渉せねばならなかっただろう。

取得価格よりも交通費+交際費が莫大になりそうである。

 

まぁコレクターである時点で、そもそもお金持ってるか。

このミュージアム+隣のレストランだって個人で運営するには結構な広さの敷地だし。

 

 

田舎で広い土地をもって、レストラン経営してコレクション飾ってという、館長の盛大な道楽が目に見えて、とても興味深い。

男の夢の体現、と言ってもいいであろう。

 

参考にはまったくできませんけどね、私の年収では(悲)

 

 

 

オールドノリタケを製造したノリタケ社であるが、前身は1904年設立の「日本陶器合名株式会社」。

名古屋市則武という場所に設立されたので、のちに地名を取ってノリタケに改名した。

 

 

この日本陶器社は、森村市左衛門により創業された。

森村は銀座で「森村組」という貿易商を営んでおり、幕末に横浜開港すると現地に入って外国人から品物を買い取り、江戸に持って帰って売るという、時代に機敏な動きが出来る人物であった。

 

その森村組の事業の中で、欧米に対して陶磁器輸出が好調であることから、陶磁器輸出に特化して設立したのが日本陶器社となる。

 

 

森村市左衛門には、豊という弟がおり、これがニューヨークで起こした企業が「モリムラブラザース」。

モリムラブラザースが米国市場の動向を探り、それを日本陶器で反映させて製品製造するというのが必勝パターンだったそうな。

これは産業スパイですわ。

 

 

陶磁器の製造場所として、愛知県の瀬戸はもともと主要な場所である。

ここで陶磁器をじゃんじゃん製造して、それに絵付けをする。

 

 

絵のデザインは、基本は海外の流行もののパクリ模倣。

だからモリムラブラザースによる市場調査は非常に重要である。

 

こんな感じで流行デザインの絵を、日本の工場へ送っていたものと考えられている。

 

 

日本の絵付師は、江戸時代までは大名お抱えであったのが、明治になって一斉にクビになってしまった。

輸出陶磁器の絵付け仕事は、その受け皿となった様子。

仕事で下手打っても、殿さまからリアル首ちょんぱされなくなって良かったね。

 

 

なので商品は職人によって1点1点手作業で作られているので、そういうところもオールドノリタケの価値を上げているのであろう。

今では製造工程が機械化して、失われた技術もあるようだ。

 

 

 

これは「モールド」という手法が取られている。

 

 

 

登場人物が立体的に浮き上がっており、存在感が強く、もはや絵画である。

 

 

こちらは器に小さい点々がついているが、ビーティングという技法で、1点1点手作業でこの盛り上げ点を付けている。

手つかれそう。

 

 

アニメ的なキャラクター絵。

 

 

どうみてもディズニーなのは現代人視点だからでしょうか。

洋風の絵も描かれたが、和風美人な描画も人気スタイルの一つであった。

 

 

19世紀後半はジャポニスムとして和風作品が持てはやされた時代であり、オールドノリタケもそうしたジャポニスムを踏まえたうえで商品制作を行った模様。

 

このポットはパリ万博で出品されたものと同型のもの。(いつのパリ万博かは忘れた。パリで万博やりすぎである)

まるで着物でも来ているかのように全体が波打っており、以前のポットには無かった柔かな動きが喜ばれてウケたんだとか。

 

 

コップの縁も波打っており、これまた珍しいと喜ばれた。

 

 

金ピカピカな作品が多いですが、20世紀も進んでくると、メイン市場であるアメリカ人はより安価なものを求めたため、こういうゴールドな商品は衰退した。

美麗さもあいまって、一層現在の価値が上がってそうである。

 

 

なお展示品については、館長との交渉により、購入することができるってさ。

 

しかし札束を積んでもテキトーな扱いをする人はダメで、あくまで愛好家が対象ですので、お希望の皆様は愛好家っぷりを全面に出したうえで交渉に臨むことをお勧めします。

「買った皿はカレー用に使います」とか言ったら一発アウトであろう。

 

 

これとかすごいカレー用にみえるけど、絶対にカレー入れちゃダメだぞ!

麻婆豆腐も!

 

 

不思議な形をしている食器もある。

中央にキノコ生えてるのとか。

 

 

端に ニョッキ!みたいなのが付いているとか。

 

 

これは最初よく分からなかったが、きっとお菓子を載せて、把手を持って運ぶのだろう。

 

 

塩や胡椒入れの数々。

 

 

そういえば磁器は英語で「porcelain」なのだが、当時は「china」と呼ばれていたらしい。

磁器は中国から欧州に伝わっている。

だから日本から輸出した磁器でもチャイナと呼ばれるという、釈然としない感じである。

 

 

高い評価を得ていた日本の陶磁器であるが、第二次大戦により一時輸出が途絶。

そのあと再興したものの1970年代からファストフードが流行して食器使わない食事スタイルになったり、安価な東南アジア製品に押されたりして、輸出産業としての陶磁器はかなり衰退してしまった。

かなしいなぁ。

 

 

国産の高価な陶磁器はだんだん減っていっていると思われるので、みんなで有難がって今のうちにコレクションするなり、目に焼き付けておきましょう(貧民)

質問すれば館長さんもいろいろ教えてくれます。

 

 

以上。

 

 

【交通手段】香取駅から徒歩20分

【入場料】200円

【混雑度】★(だれもいない)

【滞在時間】30分

【URL】三井コレクション・ミュージアム