町田市立国際版画美術館
町田にある版画の美術館である。
版画専門の美術館ということ自体、とても珍しいのではないか。
少なくともグーグル先生で「版画 美術館」で検索すると、上位20件くらいはこの美術館で占められる。
館内はメイン企画展+ミニ企画展という2本立てになっており、メイン企画展ごとに入場料が異なる。
このときは800円であった、市立美術館のわりに良い値段するな。
メインの企画展は撮影可能であった。やったね。
聞いたところだと、「宣伝予算が無いので、写真を撮ってSNSで広めてほしい」とのこと。
写真撮れるのは嬉しいけど、なんか悲しいなぁ(涙)
というわけで企画展について以下書くが、もうこの企画展おわってるのよね。
写真撮りまくっただけで宣伝できておりません(無能)
まぁ多少はね。
そしてミスチルですか?な副題がついている。
ヨルク・シュマイサーという銅版画家についてである。
その界隈では有名な人らしいが、検索してもこの企画展のHPしか出てこない。
とりあえず1942年生まれのポーランド人であり、世界各地をまわって得た発想をもとに作品制作をしていたとさ。
そんな旅人だが、一発目の展示品は、ひたすら虫のスケッチであった。
どういうこっちゃ。
虫の足ぞっろぞろ。
芸術の基本は、とにもかくにもまずスケッチということであろう。
出来れば虫以外のものでおねがいします。
日本にもいたらしい。
学生として4年間京都に留学し、そこで知り合った日本人女性と結婚した。
実は日本の木版画を学びに来たんだけど、大学に木版画のコースが無いことに気づき、仕方なく木版画職人のところに直接出向いて技法を取得するというドジっ子なのは内緒である。
ちゃんと大学案内とかシラバス読んだ?
(『オロチと対決するスサノオ』)
なんでか知らんが英訳の『古事記』にドはまりしたので、その関連ネタで木版画を作成している。
こういう絵柄、国語の教科書でみたことあるが、日本流なのだろうか。
そうかージャパンチックかぁ、と油断していたら、全然違う系統の作品が出てきた。
『月』というタイトルの作品である。
こんな月あったら怖いよ。
ムジュラの仮面の月より怖いよ。
その次は『女官』という、中国王朝風。
それっぽい。
安心した。
と思ってると、その次は『手紙を送る』という作品。
やめて、こんな手紙送らないで(真顔)
『プリンストンにて奈良を想う』
奈良をどう思えば、こういう風になるのか。
そして奈良は嫁さんの実家があるそうだが、嫁さんや嫁の親御さんは故郷がこういう風に書かれているのを見てどう思ったろうか。
真ん中にイソギンチャクっぽいのいるし。
奈良は内陸ですが。
それとも平城京跡に残る貴族たちの怨念集合体だろうか(RPG)
『薬師寺 鐘楼と幡』
存在感ガンガンに張り出しているコレはいったい何なんだ。
近づいたら飛び回って攻撃してきそう。
薬師寺こわいなー。
(『東大寺 香炉台』)
東大寺に至っては跡形もなく吹き飛ばされたようですね。
(『蓋』)
そんなカオス連発の一方で、突然のなごみタイム。
こういうのもっと作ればいいのにと思うのだが、きっと芸術は爆発しないといけないので、これはあくまで小休止なのだろう。
『故宮への入口 北京』
この展覧会のリード曲ならぬリード作品的な扱いである。
ラストダンジョン感ただよう入口。
『二度目の中国の旅』
中国というか、チベットみたいだな。
余白に文字がこれでもかと書きなぐられているのだが、「日記」と言われている。
旅行中に感じたことの記録の様子。
シュマイサーが使っていた道具も紹介するよ!
旅行中はこのカバンに銅板をいれて持ち歩き、行く先々で銅板に直接スケッチしていたと。
重そう。紙じゃダメなんですか
スケッチ道具たち。
『ニューヨーク』
ビルの下にヤバそうな生物が蠢いてますが。
さすが欲望ひしめくウォール街(適当)
ヒマラヤ地方にて『ラダックとザンスカールのスケッチ』
隅の方にまた日記が書かれているが、こちらは日付になっているので、はっきり日記らしさが出ている。
『スピトゥクの仮面』
スピトゥクというのは、僧院の名前だそうな。
チベットの仮面も、シュマイサーの絵と同じレベルで得体が知れませんね(遠い目)
(『アンコールワット 平面図と彫像』)
カンボジアには1969年に渡ったが、翌年に内戦が開始。
終戦後の1999年に再訪して、この作品を製作した。
なので廃墟じみている重苦しいアンコールワットになっております。
うむ、ようやく作品の意図が理解できた。
(『日記とエアーズロック』)
シュマイサーは「作品は、色あせてしまう経験を掴み捉えようとする試みだ」と言っておるのですが、「アンタはいったいどういう経験をしたんだ!」と問い詰めたくなる作品群であります。
『海藻』というタイトル。
大根では?
『日記と貝』
貝がやたらお気に入りだったようで、貝作品をいくらか残している。
本物の貝まで拾ってきちゃった。
展示はまだまだありますが、熱量があり過ぎて疲れてきたので(軟弱)、最後に『変化』というシリーズ。
シュマイサーは常に「変化」ということを主眼においてきたらしい、よくわからんが。
だから展示会の副題が「終わりなき旅」なのね。
一つの女性像が様々な形に変化していきます。
変わりスギィ!
「女性のイメージが奔放に変化する」と説明版に書いてあったけど、奔放というか、これだったらまだヤンキーみたいにグレてもらった方がよかったわよお母さん。
これはおかしい(確信)
以上。
【交通手段】町田駅から徒歩15分
【入館料】企画展ごとに変わる
【滞在時間】120分
【混雑度】★★★★(すぐ横に人)
【URL】