倉敷貯金箱博物館
古く秀麗な建物が並ぶ倉敷の美観地区、そこを通り抜けた先にとんでもない光景が広がっていました。
犬・犬・犬・・。ゲシュタルト崩壊おこすレベルで大量に並んでますけど、なんなんですかこれは、世紀末ですか。
ここは倉敷山陽堂という古美術品店なのですが、収集品の一部を使って貯金箱博物館なるものをやっているのです。
のっけから遥かなカオスっぷり。これは内部も期待できますね。
博物館前の通りには美観地区から流れてきたと思われるお客さんがちょくちょくいるんですけど、「え・・なにあれ・・」と五言絶句の状態になり、そのまま正面から立ち去っていくのであった。
料金は300円です。
1Fは本業の古美術商になっており、ところせましと民芸品やらアンティークグッズが並べられております。
博物館は2Fの1部屋で展開されており、それがこれ。
ちょっと・・詰め込み方が尋常じゃないですね。せいぜい山手線レベルかと思ったけど、インドの列車クラスであった。溢れかえっているじゃないか。
部屋のサイズはせいぜい四畳くらいなんですけど、そのスペースに2,000個以上の貯金箱が展示されているのだ。古いものは明治時代から、現代のものまで。
よくぞこの限られた空間に全部置けたなぁと逆に感心してしまう。置くときに少しでも手元が狂ったらダイナミック・ドミノ倒しになるのではないか。震度3くらいの地震ですら大惨事になりそうだな。
貯金箱はオーソドックスなものもありますが、変わり種も。
これは交番の形をしていて、屋根にコイン投入口があるようです。
交番名は「亀有警察署駅前派出所」 。製造者はたぶん「亀有公園前派出所」にしたかったのだと思いますが、著作権の関係が面倒だったのでしょう。
タバコの自販機型。「ちゃんと貯金してニコチン厨にならないよう気を付けよう」という訓戒も込めていますので、お子様の情操教育にうってつけ。
貯まったお金でタバコを買いに行くとか、パパそういうの絶対だめだからね。
貯金箱は大きなものから小さなものまであります。一番でかいやつは天井にまで突き刺さっていた。スカイツリー貯金箱だそうです。
500円玉だけで貯金をすると、満杯になった時には634,000円になるそうです。すごい額だな。貯まる頃にはスカイツリーが減価償却して、 新たなタワーが建っていそうである。
室内を見終わったら、ベランダを通って隣の部屋に向かいます。
「スカイ・ブリッジ」という格好いい名前が付けられている。
床はけっこうベコベコしていて、天空から突き落とされそうな恐怖感も味わうことができます。
次の部屋に到着しました、が・・なんじゃこりゃ!
とつぜんミラーボール回り始めてムーディな雰囲気になり、ゲスな乙女なんとかの音楽が流れ出しそうな様相を呈している。ベッキー呼ばなきゃ(使命感)
屋上に並びまくっている犬を最初に見ましたが、それと同じ犬がここにも居ますね。彼らはレコード会社ビクターのマスコットで、「ニッパー」くんと言うそうです。
館内の資料で「101匹目指して収集中」と書いてあった。集めてどうするのか分からないが、あのキテレツな外観は倉敷の写真スポットとして静かに人気を集めているようです。
インスタ女子は来ないかもしれないが、珍スポ人間は大喜びで馳せ参ずるでしょうね。私みたいに。
んで貯金箱要素が一切ないんですけどね。実は貯金箱博物館は、さっきの一部屋で終わりなのです。ナ・・ナンダッテー!
この部屋は「倉敷DOG資料館」であり、貯金箱博物館とは別の施設です。あ、でも入場料は最初に払った300円でカバーされてます。
ビクターのニッパー君グッズを専門で扱うコーナーでありました。
1Fに降りてくると、また違う種類の道具が置かれています。
今度は「倉敷おもちゃ博物館」。アンティークなオモチャに特化して展示されているコーナーです。扱っている範囲がすさまじく広いので古美術商の本気をみている感じである。
展示されているのは主に昭和のオモチャです。初期ミッキーもご登場。でも人前で白目むいているのはイメージとしてどうなんでしょうか。ちゃんとキャラクターとしての仕事を果たしていただきたい。
ペコちゃんは顔の周りの塗装が剥げていて、歴戦を潜り抜けてきた猛者のように見えます。舌なめずりが余計に猟奇性を増していますね。狼くらいなら食い殺してそう。
おもちゃ博物館を見終わると、入り口のアンティークショップに戻ってきます。
あぁ、最後に本業の方も見て行ってねということか。しかし珍スポ勢に古美術品とか買える財力あるんですかね(名推理)
普通の骨とう品も置いてあるんですけど、やっぱりキワモノ系施設なのか変わり種も販売されています。
毛沢東の肖像画。うしろが真っ赤だよ。まぁ彼の個性がよく出ていて良いのではないでしょうか(雑)
なんとメソポタミアの楔形文字が刻まれた粘土板です。「実物」って書いてあるよ。ほんまかいな。
当初70万だったのが50万に値下げされている哀愁っぷりに笑ってしまう。本物だとすると相当な価値があると思うので、鑑定団に出してはどうだろうか(結果は分かっています)
という感じで、貯金箱のみならず様々な品を見られるスポットでした。
美観地区に来る客層を考えるとだいぶ需給のミスギャップがある気がしますが、珍スポ好きは来て損はないと思います。
おしまい
【交通手段】倉敷駅から徒歩20分
【入館料】300円
【混雑度】★(誰もいない)
【滞在時間】45分
【URL】