坂戸市立歴史民俗資料館
ここは坂戸市の歴史民俗資料館である。
若葉駅からバスで15分ほど、「勝呂小学校入口」というバス停で降り、徒歩5分。
「勝呂」って「すぐろ」って読むらしい。
関東難読地名選手権トップ100くらいには入るんじゃなかろうか。
開いているのか、とっても不安になる外観ですが、ちゃんとやっています。
なお開館日は平日のみで、休日はお休み。
入館しました。さっそく目の前に縄文土器が置かれていますが、「見学者は事務室に一声かけるように」と札があるので、事務室へ。
事務室は左の奥まったところ。
さらに入りづらい雰囲気ではあるが、ドアをノックして見学したい旨を伝えると、対応してもらえます。
まぁ館内の電気つけてもらえるってだけで、展示解説とかやってもらえるわけではない。
きっと事務室の職員さんも片手間に資料館の管理をやっているのだろう。
そんな人手不足で運営しておりますが、Facebook更新する余裕はあるようです。
とりあえず土器が置かれているので、うやうやしく眺めておきましょう。
市内では縄文中期に人々の定住が始まり、縄文後期になると減少していくものの、弥生時代になってまたポコポコ増えていったらしい。
5世紀頃から古墳が増え始め、50基以上を数えるようになる。
うち前方後円墳は5基しかないのだが、埼玉県内では珍しく多いとのことで、坂戸市さんサイドは誇っている。
馬の埴輪を後ろからみたけど、お尻に穴が開いています。
こういうところ、古代の人間もちゃんと再現するんだな。
ずいぶんレトロな入り口の部屋があります。
中には、農機具がこれでもかというほど収納されている。
展示のために陳列したというより、仕舞うところが無いので室内にとにかくブッこみ、あとから解説版をつけたようなノリである。
もう量が多すぎて、見る気もしないな(本末転倒)
棚の上にも敷き詰められているよ。
この部屋にいるときだけは地震に遭いたくないものである。
農機具を使って作業をする写真もあります。
ただ農機具の種類が多すぎて写真の量がついて行けてないですが。
小学生に描いてもらったのかな?
笠があったので被ってみようかと思ったけど、触った瞬間に崩壊しそうな感じがしたので、ノータッチ。
膨大な農機具部屋を流し見したら、次は二階へ。
上がると最初に本棚がお目見え。
とにかく古い資料をつぎ込んでいる模様。
なお私の滞在中、年配の方がやってきてこのゾーンで本を調べていたので、需要がわずかにでもある可能性が微レ存。
書棚の対面には、長生きした樹木の切り株。
大木だから記念に残したはいいけど、飾るところが無いのでとりあえずここに置いているのだろう。
では展示室の方へ。
見るからに学校跡なのだが、この建物は1928年に勝呂小学校の校舎として建築されたもの。
1980年に解体されたが、うち一部を資料館として残したんだとさ。
展示室に入る前に、廊下に土器が並んでいた。
奈良・平安時代ころのもの。
そういえば1Fは古墳時代までだったね、話は終わったものかと思っていたよ。
この資料館の敷地周辺に、7世紀に寺が建築されたようだが、9世紀には廃寺にされてしまったらしい。
営業終了はやくないですかね、不祥事でも起こしたのだろうか。
周辺では寺の建物の一部だったのか、やたらと瓦が見つかるそうな。
こんな立派な菊の紋も、瓦のデザインとして使われていた。
また瓦塔(がとう)という、1.5m~2mの焼き物の塔も発掘されている。
立派ですねぇ。
立派過ぎて、実物は県立博物館にもってかれてしまったようだ。
だからここでは、瓦塔の破片だけでお楽しみください。
また寺の近くに、大きな幹線道路があったことが分かっている。
道路の復元をしたときの写真が飾られていますが、なんで掘った人たちまで写っちゃったかね。
これではただの記念撮影である。
また切り株かと一瞬思ったが、これは井戸の外枠部分だそうな。
井戸そのものを記念に残しているのはよくみるけど、外枠だけってのは初見。
というか、なぜ残そうと思ったのかな?(当然の疑問)
ようやく展示室です。
最初にでてくるのは、お菓子作りの機具。
近くに川越という一大都市があったわけだから、その衛星都市みたいな役割りで、坂戸も商業的な恩恵を受けたのかもしれない。
測りものいろいろ。
液体の密度を図る、比重計というもの。
種もみの不良品を調べるには、塩水に浮かせればよいのだが、その塩分濃度を測るために使用する。
比重計には目盛りが付いていて、「なたね」「もち稲」「うるち米」など書かれている。
菜種の場合は、まず比重計の目盛りが示す濃度の塩水を用意し、そこに菜種を入れて、浮いてきたやつが不良品というわけ。
・・だんだん展示品が江戸とか戦前になってきたんだが、さっきまで平安時代をやってたんじゃなかったっけ?
間、ものすごい飛ばしてますけど、なにも掘れなかったんですかね(察し)
パネル展示の向こう側にまだ品がいろいろ保管されているようである。
彼らが日の目を見る時は来るのでしょうか。
こっちは火・暖房グッズ。
火鉢をより進歩させた「行火(あんか)」。
プラスチック製のケースに炭火をいれて、これを抱えてれば暖かいというもの。
布団にいれても良いし、コタツの熱源としても利用できます。
ハエ取り機。
使い方の絵はこう。
じゃんじゃんハエを溺れさせていきましょうね。
和室があるよ。
わりとひろい。
民具を押し詰めたように並べているこの展示室の中では、かなり余裕のあるゾーンである。
展示品は戦前のものがメイン。
しかし障子はかなり年季が入っている。
というか、どうすればこういうシミを付けられるのか訊きたいレベルではある。
造りが堅固なので圧迫感すら与えてくる鉛筆箱。
床の間も家財道具置き場ですが、上段の戸棚は金ピカでプライドを保っております。
祭祀道具たち。
猛々しいお顔。
片隅には戦後あたりの家財道具。
ということでした。
以上。
【交通手段】若葉駅からバス15分(1時間に1~2本ペース)
【入館料】無料
【混雑度】★(だれもいない)
【滞在時間】40分
【URL】