聖天宮
坂戸の珍スポットでお馴染み、聖天宮(せいてんきゅう)にやってきた。
台湾の道教寺院だが、入場ゲートのぶっとんだ派手さがテーマパーク感だしていて、割とテンションが上がる。
ズームしてみました。
もっとズームしてみました。
金色化したミニチュア版こま犬をこれでもかと敷き詰めている。
地上にいるこま犬も驚いて白目をむいている。
周辺の風景はこの通り。
建物が散在する程度の田畑地帯に、整然と輝く金ぴか寺院が現われるわけである。
夜中に事前情報なしでここを通ったら、まずビビるであろう。
土地が余っているのか、駐車場はそこそこ広い。
ただこの日は平日だったにもかかわらず、中に入ると人が意外といたので、休日は混むときがあるかもしれない。
さて、入り口で500円を支払って入場。
広大な前庭へ。
第二の門な感じで「前殿」。
入場門をさらにスケールアップしている。
両端には塔がついている。
中に入れるし、あとで入ります。
前殿には様々な装飾が施されている。
石に刻んで作っているようだ。
細かいねぇ。
同じく石造の龍。
このように龍の装飾がたくさん登場し、5000か所以上あるそうだ。
だから「五千頭の龍が昇る聖天宮」というキャッチコピーで売り出している。
前殿の内部に入ってみた。
入ったところで振り返ると、道教関係の人の像があった。
こんな感じで、前殿には高さ2.5mクラスの像があちこちに設置されている。
この人は四大天皇の一人、「魔礼紅(まれいこう)」さんであり、地震・洪水・暴風・火事を治めてくれるんだそうだ。
左側に立っているのは「魔礼青(まれいせい)」さんで、風を起こすことができるという。
あれ、右側の人と比べると、かなり能力弱くない?
しかも右側の人は暴風を鎮められるから、風属性で被ってるし。
たぶん四天王の中では最弱なのだろう。
天井を見上げると、またいろいろ敷き詰められている。
椅子も豪壮である。
固そうだけど。
神仙大集合な感じの絵。
目の前の盛大な建物が気になりますが、順路的にもまずは前殿をしっかり見ましょう。
こちら。
この部屋にも関羽っぽい人が何人かいる。
天井。
また凄まじい装飾の仕方である、油断できないな。
こんだけ作りこんでいるので、聖天宮の建設には15年も掛かっている。
台湾の貿易商である康國典という人が不治の病にかかったとき、道教の最高神トリオである「三清神」にお祈りし続けたところ奇跡の回復を遂げたので、その感謝の念をもって建築した。
どこに建てようか考えていたところ、なぜか「坂戸の地に建てよ」とのお告げを受けたので、ここに作ったんだとさ。
本人は坂戸どころか日本と特に縁も無かったそうですが。
目の前の台は、おみくじ用となっています。
台湾風おみくじだそうです。
まずは本殿に向かって合掌・一礼をしたあと、この筒に入っている竹棒を引く。
すると竹に番号が書かれている。
次に、表に陽・裏に陰と手書きで書かれているホームメイドなこの「シンブエー」×2を、2つとも陽に揃えてから、床に落とす。
「陽・陰」の目が出れば、次のステップへ。
「陽・陽」はあいこなので、もう一回落とす。
「陰・陰」は最初からやり直し。
シンブエーを床に落とすと、かなり大きな乾いた音が響くので、ルールを知らない人が傍から見ると「あいつ何してんの・・」と疑わしい目を向けられることになります。
無事に「陽・陽」が出た貴方、おめでとうございます。
各棚に番号が振ってあるので、さきほど引いた竹に書いてあった番号の棚を開けましょう。
浅草寺スタイル。
ただし、1つ100円ね。
ここまで料金の事は一切書かれていなかったのに、おみくじを実際に開ける段階まで来て、課金制であることが明かされるのである。
「もしかして無料?」と喜んでここまで来ましたけどね、まぁそんなわけないわな。
椅子に座っておみくじを見ましょう。
かたそう。
本殿へ向かいます。
ご立派様ですねえ。
こんなんだから、ドラマ撮影のほか、コスプレイヤーの撮影会場でかなり利用されている模様。
むしろ公式HPでコスプレ撮影の募集をしているくらいである。
その手前に、龍の石像。
一枚岩を彫ったもので、九つの頭を持っている。
龍の爪の本数は強さを表しており、5指が最強らしい。
勝手に強い龍を描いたりすると、中国王朝では死刑宣告が待っていたそうな。
なお説明書きによると、日光東照宮の鳴き龍は3指であり、「徳川幕府による、明王朝への配慮」とのこと。
まぁつまらないプライドは捨てて、朱印船貿易で儲けましょうね。
本殿。
天井をみると、とても渦巻いている。
前殿もそうだが、天井は釘を一切使わずに、組み込みだけで構成されている。
実にオーガニック。
柱は石造。
日本最大である(と、ガイドさんが言っていた)。
まぁ日本にはチャイナコミュニティがあちこち潜んでいる割に、道教寺院自体を滅多に見ませんからねえ。
横浜中華街の関帝廟と入口の門くらいしか思いつかない。
これは天公炉、線香焚くところ。
天公というのは道教における最強神「天帝」を指している。
天帝は偉すぎるので、ここでやれることは天帝に感謝することのみである。
お願いなんかしてはいけない。
そんなことをしたらバチがあたります。
本殿の天井に注目が行き過ぎて、本殿の内部を撮影するのを忘れたのである。
アホですねぇ筆者。
ただ本殿は参拝エリアとそれ以外エリアがあって、参拝エリアでは撮影は出来ないので注意。
そういや宗教施設でしたね、完全に忘れてました申し訳。
隣接する休憩所はちゃんと収めております。
しゃれおつ。
悪い人達がここで待機してそう(香港映画並感)
お守り5000円もするのかよ、と思ったら、これは護符。
お守りと違って、年が変わるごとに交換する必要はなく、ずっと持っていて良い。
聖天宮の線香の煙に3回くぐらせると、その都度パワーアップする。
まるで魔装備。
ただ水にぬらすと効果がゼロになるので要注意。
本殿を見たので、入口方向にもどる。
その途中で、横に休憩所があったので。
休憩所にはいって右側部分。
これまでとは打って変わって、何の装飾も無い無機質さである。
さすがに内装まで金ぴかにすると落ち着く余裕がなくなるからか、それとも予算の都合だろうか。
左側部分。
自販機が置いてあるぞ。
なんだかウチの国の言葉ではありませんね。
どうも台湾の商品を販売しているようである。
なかなか凝っているな。
と思ったら、沖縄のもあった。
このままだと得体が知れず、客も尻込みしてしまうので、商品の説明が書かれています。
さっきのは八方粥という、麦や豆など8種類の穀物からなる粥だそうだ。
急にテンション上がってるけど、どうした?
私もひとつ買ってみました、豆漿(とうじゃん)。
豆乳みたいなもんなので、特にエッジは効いてませんが。
ブログ的にはさっきの八方粥のほうがインパクトあるけど、残念ながらお腹が空いてなかったのだ、すまんな。
ちなみに輸入品であっても日本語ラベルの貼り付けは義務付けられています(消費者庁からのお知らせ)
これが無いものはキワモノなので、気を付けるか、死んでも諦めよう!
奥にまだスペースがあるな。
また神様のイラスト。
特に何の説明もなく貼られていた写真だが、おそらく聖天宮の建設主夫妻であろう。
貿易商とはいえ、たいそうな財力をお持ちである。
個人でトンデモないもの作ったランキングで、国内トップテンには入るかもしれない。
1位は福井県の越前大仏ね。
階段があるのでのぼってみよう。
しかしえらく狭いな。
のぼりました。
前殿の両端に塔があったのを見たが、この塔がまさにそれである。
本殿向かって左側の塔であり、太鼓があるので太鼓の塔らしい。
急にストレートなネーミングになったな。
太鼓は上に吊るされているので叩けません。
機械仕掛けの時報になっており、定刻になるとドンドン鳴らされる。
廟もあるので、お参りしましょう。
外を見ると、クジャクの装飾が付いている。
もういい加減驚かなくなったが、それでも豪壮である。
反対側の塔へ。
聖天宮の木彫りの模型、もとい設計図であろうか。
モノクロだと結構おとなしいね。
こちらも登りました。
鐘の塔です。
これまた時報で鳴らされますが、狭い空間で聞くと太鼓以上に音が爆裂なので、鼓膜チャレンジする人以外は、時報時刻を避けて登るのが吉。
こちらは廟では無いのだな。
赤い垂れ幕が飾られており、それぞれに願い事が書かれている。
絵馬か。
その赤い布は、この塔の1Fに置かれていた。
自由に書いて、上階で括りつけて良いようである。
課金制ではない。
書き方はこちらをご覧ください。
願い事というよりは、達成したい目標を書く、ということらしい。
さっき「すごい美人と出会う」って書いてた布があったけど、君ちゃんと説明よまないから彼女できないのよ(どや顔)
「大学に合格するぞう」。
テンションの上がり方が昭和チックだなぁ。
1995年開設だから、平成にはいってるんだけどな。
以上。
【交通手段】若葉駅からバス5分「戸宮交差点」下車、徒歩5分
【入館料】500円
【滞在時間】45分
【混雑度】★★★(館内にちらほら)
【URL】