C級スポット探索日記

C級スポット探索日記

各地の資料館・博物館・珍スポを回り倒すのが趣味です。転勤族(神奈川→埼玉→長野)

上福岡歴史民俗資料館

 

ふじみ野市にある資料館である。

2005年に上福岡市大井町が合併して誕生した市だが、そのうち上福岡部分を扱っているもの。

 

 

 

外観がすさまじく「○○信金」みたいなのでモロに素通りしそうになった。

入館料は無料です。

 

 

 

入って正面にいきなり登場するのが、この模型。

 

 

陸軍の弾薬工場があったそうな。

55万㎡、建物600棟以上の巨大施設、就労人口は数千人。

 

意外と上福岡市は軍需都市だったようだ。

 

 

各建物の周りにコンクリートの塀が仕切られているが、火薬が爆発したときに隣の建物に燃え移るのを防止するためである。

なにそれこわい。

 

 

案内パネルがあったようだが、調整中。

はたして回復する日は来るのでしょうか?

 

 

戦争末期になるともう弾薬すら作れない物資不足だったので、かの風船爆弾のほか、陶器製の手投爆弾も製造していたらしい。

陶器なんて壊れやすいから、輸送中に爆発してしまうのでは。

 

 

もう一つある模型は、明治初期の学校。

金があった村は自分たちで建設したが、無い村は共同で資金を出し合って建てた様子。

 

 

おもちゃコーナー。

 

 

なんだこのキャラは。

 

 

展示室。

 

 

 

最初に祭りの囃子があるが、これ下福岡地区のものらしい。

すでに上福岡じゃないんですが、大丈夫ですかね。

 

 

 

展示室の1/3くらいを土器で埋めている感じである。

 

 

この地域にも縄文時代貝塚はあるので、発掘されたものたち。

 

 

縄文時代の櫛には、髪を梳くというよりも頭皮をボロボロにしそうな攻撃的な品があったりするが、この地域のはまともそうである。

 

 

 

片方に注ぎ口のついている「片口土器」は国の重文にも指定されている、この地域一番の掘り出し物ですが、貴重なものなので国立博物館に没収されたようです。

 

 

代わりに、バンザイしてる深鉢土器でもご覧ください。

 

 

底に穴が開いている、古墳時代の土器がある。

作ったやつが無能というわけではなくて、祭祀用と思われている。

 

資料館の解説によると、「穴が開いている土器は普通ではない=あの世に行く人達は普通ではない」という連想ゲームで、この土器を葬式で使ったのだろうとのこと。

このブログの記事も穴だらけなので(チーン)

 

 

 

貝塚周辺にあった住居の復元模型。

オオカミが来たら飛ばされそう。

 

 

古墳があったそうですが、いまは道路になっているようです。

車の走行音をレクイエムにしてるんですかね。

 

 

古墳時代の住居。

 

奈良・平安時代になると文明のレベルも上がってきたが、発掘結果を見ると、住民の生活レベルはあまり向上しなかったようだ。

というわけでこんな住居にしばらく住んでいたそうな。

 

 

 

そして中世の遺物はあまり見つかっていないようで、展示もほとんど無いのであった。

とりあえず板碑でスペース埋めておきますね。

 

 

気が早いですが江戸時代へ。

写真が黄色い気がするのは、そういう室内照明が使われているからです。

 

 

この地域と切っても切り離せないのは、新河岸川の舟運である。

川越を起点として、和光市で荒川と合流して、浅草まで流れ着いていく。

1日に150隻もの船がこの川を行き交い、川越街道をしのぐ交通量になったようだ。

 

 

沿川にはところどころに船着き場=河岸場があり、物流倉庫や様々な商店が設けられて、ぼろ儲けする商いもいたようである。

 

 

船道具。

船のサイズは15mほどなので、これはあくまで模型だが。

 

 

帆に使っていた布。

何も言われないと、ただのボロ布にしかみえんな。

 

 

舟運が捗る一方で、陸路である川越街道からは、そして誰もいなくなった

というわけではないが通行量が減って宿場町が鄙びるので、舟運を縮小させるよう幕府へ抗議もなされたり、なんやらこうやら(適当)

 

まぁ大名行列は街道を通るので、それで十分潤ったそうだが。

 

 

 

そんな新河岸川は、しかし良いことだけではなかった。

ご覧の通り、この川はとんでもなくクネクネしており、よって水があまり進まずに滞留して氾濫をしょっちゅう起こしている。

 

 

なので各家には脱出用のボートが必須です。

いまでは堤防や河川改修もされて氾濫の危険は激減しているので、「1LDK物件(ボート付き)」とかは無いと思うが。

 

 

舟運関係者は儲かっていたようだが、当然そうではない人たちもいた。

とくに幕末、海外との貿易が始まると物が輸出に回って物価が上がってしまい、グラフの数字も相当なことになっている。

 

 

様々な地方で打ち壊しが発生する中、1866年に武州でも大規模な一揆が起こり、総勢10数万人が蜂起したという(主催者発表)。

んでそれを鎮圧するために川越藩が放った大砲の弾がこれ。

こんなんあたったら、そりゃ死ぬわな。

 

 

箒がわんさか登場しますが、この地域では箒づくりが盛んだったそうです。

 

 

箒の各部にこんなに名称あったんだな。

 

 

 

 

やけにデカいのが1つあるなと思ったら、日本で最大のものらしい。

長さ3.04m。

いったい何に使うんでしょうか。

 

 

あとは小規模ながらも機織り業が流行ったそうな。

 

 

最後に、怪しい小部屋があるぞ。

 

 

江戸時代の民家だった。

資料館あるあるですが。

 

それにしても暗い。

昔の暗さを体験しろということだろう。

 

 

フラッシュ焚いてみました。

 

 

灰で壁や竈が白すぎて、終末感がしてならない。

やっぱり暗い方が良いんでしょうね。

 

 

以上。

 

【交通手段】上福岡駅から徒歩20分

【入館料】無料

【滞在時間】40分

【混雑度】★(誰もいない)

【URL】ようこそ上福岡歴史民俗資料館へ | ふじみ野市ホームページ