水木しげる記念館
鳥取県の境港市は、水木しげるの出身地と言うことで、水木しげる記念館が建っている。
この辺では主要な観光地なので、けっこう混んでいるな。
入り口前に何かある。
右下のハンドルをぐるぐる回すと、お話が流れるらしい。
いきなり怪談だろうか。
有料制だった。ゲゲゲ!
水木先生の銅像。
やはり目玉の親父が一番気に入っているのだろうか。
トイレのマーク。
すでにネタが仕込まれている。
まぁ境港市どころか鳥取県中でゲゲゲをpushしているので、いろんなところで鬼太郎ネタはお目にかかれる。
米子の空港からして名称が「米子鬼太郎空港」だし。
入館料は700円。
けっこう高めだが、質量的に正当な価格であると、退館するときには感じているであろう。
まずは2Fから。
ここでは水木しげる作品の紹介をしている。
ゲゲゲの鬼太郎の前作にあたる、墓場の鬼太郎。
漫画の一場面と解説が見られる。
水木作品を殆ど知らない私のような不心得者でも、安心安全な仕組み。
『墓場の鬼太郎』は水木が漫画家になる前の、紙芝居作家をしていた時から存在している超古参シリーズ。
ただ現在の鬼太郎とは異なり、関わった人間を不幸のどん底に突き落とす系の作風であったため、一部のファンを除いては敬遠されており、連載されていたマガジンでは打ち切り寸前のところをギリギリ生き残るレベルだったそうな。
こちらは『悪魔くん』。
主人公の名前が松下一郎で、電機メーカー社長の御曹司という、もう訴訟(被告)も辞さない設定である。
天才的な頭脳を持ったこの主人公が、悪魔の力を利用して皆がハッピーな世界を作ろうとするが、それは「今の腐った世界を潰す」というこれまた過激で陰惨な作風。
売れる前まではこんなSFものもやっています。
画風が違う!
過酷な貧困生活が長かったことから、社会風刺的な作品が多数存在する。
この『原始さん』は1969年の作品なので鬼太郎ヒット後のものであるが、発展しすぎた都市文化を怪獣がぶち壊すというもの。
戦争従軍世代であるため、戦争関連作品も。
ヒトラーの顔がもはや妖怪になっているが、妖怪みたいなものだということだろう。
『コミック昭和史』は、関東大震災以後の戦争と災害だらけの昭和時代を、ねずみ男を進行役にして振り返る企画。
こんな感じで様々な水木作品が紹介されている。
「水木しげる=鬼太郎」という単純図式を壊し、作家をより広い視点で捉えてほしいということで、この展示を最初に持ってきているのかもしれない。
と言いつつ、鬼太郎が思いっきり立っているわけですが。
背中に回ると、キャラ紹介として漫画の一場面が。
『墓場の鬼太郎』も陰鬱な描写が一定層の人気を呼んだが、より広く受けさせるため、特にアニメ化との絡みで、現在のように人間寄りの立場になった鬼太郎へとシフトチェンジした模様。
名前も暗いイメージの『墓場』から、水木の幼少期のあだ名『ゲゲ』をもじったものに入れ替えた。
ネコ娘。
現在では萌えキャラ扱いになっているが、原作ではそんなことなかった。
ここからしばし、鬼太郎コーナー。
最初は背比べからスタート!(迫真)
お家はこんな風になっているようだ。
プロフィール。
学習院って、実は皇族なんだろうか。
ん?最下段・・
え、奥さんいるの?
お父さんだそうですが、あなただれ?
父がいるので母もいる。
お岩さんの遠戚だが、皿では無くて虫を数えているようだ。
自分、皿の方でいいすか(虫嫌悪)
育ての親、おまえかい。
鬼太郎のパンツは、目玉の親父が桃太郎からもらったものらしい。
妖怪とつるんでて良いのか桃太郎。
ゲゲゲのワールド。
自分の名前を冠にした温泉があるなんて、鬼太郎すごいな。
なお水木しげるは漫画家になる前に不動産投資をしたが、あまり上手くいかなかったようだ。
鬼太郎に教えてもらおう(提案)
鬼太郎の作風の変化。
紙芝居時代の鬼太郎。
人間っぽさがある。
どういう心境の変化で、ここからあの鬼太郎に繋がったのだろうか。
さきほど鬼太郎の父親として、知らないおじさんが登場していたが、そのオッサンが死後に目玉だけで復活したのが、目玉の親父であった。
目玉の親父は有能なので、あらゆる言語を理解し、虫とも会話が出来る。
ペチャンコにされてもあっさり復活できる。
一度死んでるから、残機無限状態なんだろう、きっと。
おなじみのシーン。
鬼太郎の特殊能力について。
髪の毛とばすのは一番有名なんじゃなかろうか。
それ以外にも、けっこう特殊能力あるらしい。
手首を切り離してドローンとして飛ばすことができる。
そして腹の中に蛇を飼っていたりする。
猛毒で相手を噛むのかと思いきや、蛇の役割りは「相手を驚かせること」というビックリ箱機能であった。
他のキャラの特徴も説明されている。
一反木綿は颯爽と現れるが、みんなの扱いが酷すぎて残念な目に合うキャラなイメージ。
ただ時には、木綿であるという物質性を完全に無視して活躍する。
木の枝パキーン
次の部屋。
水木は世界数十か国を旅行している、自称冒険家である。
各地での写真の展示。
つよそう。
暗い写真になってしまったが、冒険グッズ。
カバンやらなんやら。
棺桶型の筆入れ。
縁起は悪そうだが、妖怪描きにはあまり関係ないのかもしれない。
これは説明が無かったので、よくわからん。
行ったところ一覧。
オセアニアや東南アジアが多いのは、南方戦線で従軍したせいだろうか。
トリックアート。
こちらは鬼太郎ver
グッズが並んでいる。
漫画が置いてあったが、残念ながらショーケースの中なので触れない。
「ここで読んでないで買え」というメッセージであろう。
ただいくつかは読める漫画や本があった。
鬼太郎のアニメ化のたびに様々なグッズが販売されてきたが、それらが並べられている。
悪魔くん、原作とまったく別人ですな。
お面。
コレジャナイ感がすごい。
スタッフルームには妖怪もいるようだ。
これで2Fはおしまい。
水木先生は何度か来館していて、そのたびに壁画を残していっているようである。
1Fに降りよう。
(水木先生の書斎)
1Fは1/3程度が、水木しげるの一生を説明した展示なんだけど、ここに限っては何故か撮影禁止。
内容が豊富もとい凄まじかっただけに残念である。
【抜粋】
①5歳の時、死に興味を持ち、3歳の弟を海に突き落とそうとした。
②勉強が得意ではなく、定員50名で志願者51名の高等学校を受験したら、不合格だった。
③戦時中は南方の激戦地に送られ、味方全員が戦死した戦場で一人だけ生還する。しかし左腕に爆撃を受けて重傷を負い、麻酔なしで切断手術をされ、よって左腕を失っている。
ただこの手の施設はたいていが全館撮影禁止なので、撮影可能ゾーンが大半を占めるこの記念館は有能である(断言)
なんだかお化け屋敷みたいなゾーンが始まった。
鬼太郎作品に登場する妖怪たちのオブジェが並んでいる。
初っ端のぬりかべは、水木が戦地で出会ったことがあるとのこと。
お疲れのようで。
怪しい雰囲気満載なので、子供の性格によっては撤退を迫られるかもしれない。
おとろし。
神様を馬鹿にしていると、上から降ってきてその人を殺してしまう妖怪。
フォールマスター怖いんで勘弁してください。
原作。でかいでかい。
真ん中の少年が水木しげるで、横にいるのが妖怪話を沢山してくれた近所の婆ちゃん。
記念館の入り口にある銅像は、この2人のシーンである。
小豆はかり。
夜な夜な天井や屋外で、小豆をばらばらさせて数えているという、睡眠妨害をしてくる妖怪である。
あかなめ。
風呂に溜った垢をペロペロ舐めに来る。
舐めるだけで、垢を綺麗にしてくれるわけではないらしい。
つかえねー(直球)
収まりきらなかった妖怪たちは、このゾーンに集結しています。
おっすおっす!
ここは井戸のゾーン。
井戸を覗くと、下で妖怪がわらわらやっています。
壁にも覗き穴。
目がビックリ。
広いところに出た。
またまたトリックアート。
記念撮影をがんがん煽ってきますな。
日本全国の妖怪分布図。
鳥取県はこちらの方がお住まいだそうで。
最後の部屋は、企画展。
このときは、鬼太郎アニメの変遷を紹介していた。
こちらが初代。
まぁ原作準拠と言った画風。
これが2018年時点のアニメ。
どうしてこうなった。
ネコ娘が完全に別人である。
この変化について、古参ファンからは異議が出されているが、まぁ可愛いに越したことはないよね(議論終了)
あとは出口に向かう。
その前に、ちょっとした庭。
妖界庭園というらしい。
妖界なので、庭園内には踏み入れません。
奥の方を見ると、鬼太郎たちの石像が。
ネコ娘は原作準拠ver
鬼太郎の家。
時のオカリナのリンクの家みたいだな。
原始的な家のようだが、敵が近づくと虫たちが知らせてくれるというセコム機能があったり。
「つるべ火」という妖怪に、ひと月パン一切れで火を提供させている、安価で現代的で女子も安心な設計になっている。
良い家ですねえ。
都心に近ければもっと良かったんですが(現代並感)
以上。
【交通手段】境港駅から徒歩15分
【入館料】700円
【混雑度】★★★★(写真撮ると他人が写る)
【滞在時間】90分
【URL】