おぶせミュージアム・中島千波館
小布施の町立美術館です。
敷地は結構広くて公園みたいになっており、展示室が2つあるほか、小布施出身の日本画家 中島千波の専用美術館、祭りの屋台を飾る倉庫があるのです。
さっきの敷地入口から歩いて1分くらいで、ようやく美術館入り口に到達した。
・・さっそく不気味な作品がありますが。
タイトルは『東へ』。
東へ行ったら、こんな化け物がいるんだろうか。
こわいなー、西へ行かせていただきます。
中庭です。
この日は暑かったので日向には出ませんでしたが、芝生の上で盛大にゴロゴロしたり新体操やっても誰にも迷惑かけ無さそうなほどスペースが有るね。
ピクニックもできそう。
回廊を抜けて、入館します。500円なり。
北斎館・高井鴻山記念館との3館セット券もあるので、それらを回る方はセット券のほうが断然お得です。北斎館がボッタくり過ぎるのだ。
館内は撮影禁止。
第一&第二展示室は企画展になっており、長野県・小布施に関係ある芸術家の作品を飾っていることが多いようです。
(朴再英『いつかはⅠ』 ミュージアムのチラシより)
このときは盛大に企画展示室つかって、朴再英(パク ジェヨン)の作品70点以上を飾ってました。千曲市に住む韓国人の水性版画家だそうです。
画面を動いている謎の物体がスピード感あって電子っぽいところや、水面や夜空のように鮮やかですっとしている色彩が個人的にグーです。
このほかモノトーンの作品があって、凛として時雨の初期のジャケット感あってとても良かったのだが、ネットで探しても出てこないのだ。
なにより画家自身の公式HPが無いのだな。宣伝しなくても十分に販路開拓済みということかしら。強い。
(展示室の模様。美術館HPより おぶせミュージアム・中島千波館 常設展のご案内 )
企画展だけで結構ボリュームがあるのでだいぶ疲れてしまった(弱)
つづいて中島千波館です。この人は大判モノが多いので、スペースのある展示室に堂々とそれら大きな絵が並べられています。
(中島千波氏。美術館HPより 中島千波について - 小布施町公式ホームページ)
中島千波さんは小布施出身の日本画家です。男性です。
名前から女性を想像していた諸君、残念。
初期の頃は反戦的・社会的な画風だったらしいが、岐阜で名物の淡墨桜を見てドはまりして以降は桜ガチ勢になり、良い桜の情報を聞きつけると全国どこでも行ってしまうようになったとか。桜おじさん。
(中島千波『坪井の枝垂桜』中島千波について - 小布施町公式ホームページ)
描いている桜も様々。この枝垂桜はやたら個々の花びらの綺麗さというより、全部が一体として画面にどっしり構えている感がある。
というか・・こんなにもわーっとした空気感だすのか、桜?
もしかしたらあの一帯は花粉が凄まじく飛び交っていて、来る花粉症患者をダークサイドに突き落とす罠になっているのかもしれない。
(中島千波『秋桜模様』中島千波について - 小布施町公式ホームページ)
一方でこちらの秋桜は全く異なるテイストで、同じ画家の作品とは思えんな。
色は単純で複雑性を抑えており、明確過ぎて逆に奇妙である。
この人メルヘン系の作品も描いていて、それらはこういう画風なのだ。
まあメルヘンって総じて奇妙だしな。異世界感をこれで出しているのかもしれん。
ミュージアムはおしまい。
あとは中庭の向こう側に倉庫っぽい建物があって、その中に祭りの屋台が仕舞われているとのことだ。
小布施は街道沿いにあるから江戸時代には北信地方の主要な経済都市となっている。
お金持ちが居るということは祭りも豪華にやっているということで、町ごとに様々な屋台を拵えているのです。
倉庫入り口はどうみても従業員用倉庫で、中に冷凍食品でもあるんじゃないかと疑わしくなるが、ちゃんと中に入れますので安心。
内部には天井に届くくらい大きな屋台が並んでいる。
小布施には7つの町があり、各町で屋台を制作していて、そのうち5町分が保管されているのだ。
基本的な構造は同じで、1Fはお囃子隊が入って演奏するところ、2Fは踊るポンポコリンです。
町ごとにオリジナリティを出すため、装飾を工夫しているのです。
例えば六川町は天井が市松模様になってます。
次は伊勢町。
天井に竜の彫刻を施すという難易度が高いことをやっており、町民の本気度が伺える。こだわり過ぎて、あやうく夏祭り寸前まで屋台が完成しない本末転倒だったと聞いて笑ってしまった。
中町の屋台はとにかく提灯で「中町」を強調している。
かわいらしいが、これは激烈なナショナリズムの表現であり、祭り当日は他の町の屋台に突撃して破壊工作を行ったそうな(嘘です)
屋台が多すぎて入りきらなかったようで、蔵はもう一つあります。
福原町の屋台が独占している。
1F部分にも彫刻を施したり行灯を付けたりと、これまでの屋台とは一線を画した完成度の高さだ。
福原町には職人が多かったそうなので、彼らの技術によるところが大きい。「1組に足の速い子が揃ったから運動会ではつよい」な感じであろう。
2Fにもがんがんに装飾を施しており、たぶん他の町より金持ちも多かったのだろう。ゴールドだし。
金持ちの子が同じクラスにいると差し入れで得をするパターンである。
(横町の屋台。公式HPより 屋台蔵 - 小布施町公式ホームページ)
あと横町の屋台があるんだけど、写真を撮り忘れたので、公式HPから引用します。
あれ、なんか・・やけに地味でない?色彩も装飾もあまり無いし。
もしかして横町くん、お金ないの?
(横町の屋台は展示の中で一番古いので、いろいろ損傷しているようです)
北斎が描いた天井絵のある東町祭屋台、上町祭屋台を展示しています。現在、上町祭屋台の天井絵「男浪」「女浪」図は大英博物館に出展中ですが、祭屋台も見どころたっぷりですよ~!
— 北斎館 (@hokusai_kan) 2017年8月8日
当館HPに解説がありますので、そちらもご覧ください(^▽^)/https://t.co/6xIrG9pQK7 pic.twitter.com/LqBEZuaHlP
さて、これで屋台は5町/7町なのだが、あと2台はここに無く、北斎館にあります。
葛飾北斎が天井に装飾を施しており、また資金力のある高井鴻山が出資していることもあって、これら5台とはちょっとレベルが違うのだ。
町内会のコンテストに東証一部上場企業が参入したようなものである。
入場料高いが見る価値はあると思いまっせ。
ということでした。
おしまい。
【交通手段】小布施駅から徒歩12分
【入館料】500円
【滞在時間】1時間
【混雑度】★★★(ちらほら)
【URL】