日本万華鏡博物館
日本万華鏡博物館は、川口にある万華鏡専門の博物館。
川口駅の東口から徒歩5分、高層マンションの1Fにある。
ここは個人の趣味が高じた私設博物館。
入館は予約制であり、公式HPのメールフォームから申し込む。
「見るコース」と「作るコース」の2種類。
「見る」方は、万華鏡についての解説を聞くもので、所要40分で1000円。
「作る」方は、作る万華鏡の上等度にもよるが、初心者用2500円クラスからガチ勢用8000円クラスまで様々。
今回は「見るコース」で。
いずれのコースにしても、館長によるマンツーマン解説となっている。
マンションの1室を利用しているだけなので、博物館のサイズはまさに1部屋分でしかないのだが、その1部屋にぎっしり万華鏡が飾られており、それらを館長が次々と繰り出して観客を圧倒していくスタイル。
まぁよほどの情熱が無いと、趣味で博物館作りませんからな。
入口の上にも万華鏡マーク。
館内は撮影禁止なので、以下は館長から聞いた話。
万華鏡の歴史は意外と新しく、19世紀前半の誕生である。
それもスコットランドから。
万華鏡は、鏡上での光の反射・屈折を利用し、像を様々に変化させて楽しむもの。
デイビット・ブリュースターという学者が、その光の屈折を研究していた途中で原理を発明し、開発された。
(デイビット・ブリュースター氏。ねむそう。画像はwikiから)
この学者の研究は、灯台の明かりの改良など実用的分野で役立っているのだが、今日では「万華鏡おじさん」として知られている(嘘)
スコットランド人は英国では被支配層であり、国外へ出て一旗揚げようとするワナビーが多かったようで、当時未開の東洋にやってきた人々も多く、その際に万華鏡も伝えていった。
日本への万華鏡上陸は1819年という記録があるそうで、中国経由で渡ってきたと考えられる。
万華鏡は鏡を組み合わせて反射させることで紋様を描き出すが、この鏡の形・枚数・角度を変えることでパターンは無限に広がっていく。
夢がひろがりんぐ(死語)
仕組み自体も簡単なので、チャレンジ1年生の付録とかにも載っているわけ。
(万華鏡の仕組み。さっぱり分からん。英語版wikiから)
ただ物理原則を根拠としている以上、意外に理詰めだったりする。
例えば、人間の目の焦点が最も合わせやすいのは、目から20cmの距離。
なので万華鏡の長さも20cmが最適なんだと。
安くて小さい万華鏡は20cmより短いので、焦点が合わずにぼやけてしまう。
目の水晶体のように焦点を調整するような高価なレンズを使っていれば別だが。
学校教材とかだとそこまで考えられていないので、子供用として20cmに満たない小さな万華鏡を作らせたら、微妙な物になりましたみたいな展開はありがち。
館長曰く「文科省の役人の頭がぼやけているので、教育に予算を掛けないからこうなった」とのこと。
だから万華鏡の像もぼやけているんですかね(どや顔)
(2017年万華鏡大賞・同窓会展のチラシ。同窓会?)
基本原理を知ってさえいれば万華鏡自体は簡単に作れる。
にもかかわらず万華鏡アートは、安価なお土産品としてはありがちだが、本格的なものは日本であまり浸透していない。
なので館長が代表を務める日本万華鏡倶楽部では、一般公募の展覧会を開催し、芸術家の育成を目指していた模様。
残念ながら2017年をもって展覧会は終わってしまったようだが。
(2017年万華鏡世界大会のチラシ。)
出展できずに悔しがる貴方、こちらの大会もあるのでお勧めします。
まぁこっちは相当なガチ勢向けだと思うけど。
それに一体どういう点で競うのだろう。
あまりにも内部が煌びやかすぎて、万華鏡を覗いたとたんに目がやられて失神してぶっ倒れるレベルなら世界制覇できるかもしれない。
というわけで、万華鏡の歴史から原理、古い作品から世界各地のもの・希少なものまで40分フルに使ってじゃんじゃん披露してもらえます。
物理の勉強をさぼってきた人は混乱する恐れがあるので、博物館のHPで予習してから行こう(経験談)
以上。
【交通手段】川口駅から徒歩5分
【入館料】1000円(見るコース)
【混雑度】同時間帯の予約客が居なければ、マンツーマン対応
【滞在時間】40分
【URL】
nihonmangekyouhakubutsukan.jimdo.com